【ドイツのための選択肢】主張や支持率、日本やロシアとの関係まで【AfD】 

AfDのようなドイツの右派政権のイメージ 政治学

ドイツの政治の風景に大きな変化をもたらしているAfD(Alternative für Deutschland、ドイツのための選択肢)は2013年の設立から急速に支持を拡大しています。

移民政策やEUへの批判的姿勢が特徴的なこの政党は特に東部ドイツを中心に支持を集め、ドイツ社会における政治的分断を深める要因となっています。ロシアとの関係重視やアメリカへの依存からの脱却を主張するなど、その外交政策も含めAfDの台頭が国内外に与える影響は無視できないものとなっています。

AfDの誕生と政治的イデオロギー

ユーロ懐疑主義から始まった道のり

ドイツのための選択肢AfD)は2013年に設立され当初はEUの政策に反対する主張を持つ右派政党としてスタートしました。

この党は特に金融危機後のドイツにおけるユーロ懐疑主義を背景に、経済政策に対する不満を反映する形で支持を集めました。

設立当初は主に経済問題に焦点を当てていましたが次第にその立場は移民問題へとシフトしていきました。2015年以降AfDは移民問題を中心に政策を大きく変化させ、特にイスラム教徒の移民に対する反対を強調するようになりました。この変化はシリア内戦やその他の国際的な危機によって引き起こされた移民の流入に対する反発を背景にしています。

ナショナリズムと伝統的価値観の強調

DEUTSCHLAND: Überraschende Umfrage zur Bundestagswahl 2025 – Weidel mit der AFD weiter im Höhenflug

AfDは「ドイツの文化とアイデンティティの保護」という理念を掲げ、伝統的価値観の維持が国家の安定と結束に不可欠だと訴えています。国民国家としての重要性を強調するこのようなナショナリズム的傾向は、グローバル化の進展に不安を感じる層からの支持を集める要因となっています。

右派ポピュリズムとユーロ懐疑主義を掲げるAfDは、特にEUの政策に対する批判を強め、ドイツの主権を守ることを訴えています。このような立場は経済的な不安や社会的な変化に対する不満を抱える有権者に支持され、党の支持基盤を広げる要因となっています。

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AfDの主張 その主要政策と立場

移民政策における厳格な姿勢

AfDの主張の近年のコアとなっているが移民政策といえます。

厳格な立場を取っており特にイスラム教徒の移民に対する反対を強調しています。この党は移民がドイツの文化や社会に与える影響を懸念し、国境管理の強化や移民受け入れの制限を主張しています。

ただAfDは中東やアフリカからの移民に対して厳しい姿勢を示す一方で、ロシア系移民に対しては比較的寛容な態度をとっています。この二面性は戦略的なものでありロシア系コミュニティを支持基盤として取り込む狙いがあると考えられています。

2022年にはロシア系移民の数が前年比で15%増加したとされていてAfDはこの層からの支持獲得に積極的です。

EU政策とユーロ圏への姿勢

AfDはユーロ圏の政策に対して強い反対を示し一部ではドイツのEUからの脱退を支持する声も上がっています。党の創設当初はユーロに反対する立場からスタートしましたが現在では移民問題やイスラムに焦点を当てるようになっています。

EUに対する懐疑的な姿勢は、特に経済的な不安を抱える層からの支持を集める要因となっています。AfDは国家主権の回復を重視し、EUの中央集権的な政策決定に反対する姿勢を取っています。

環境および社会政策

AfDは環境政策に対して懐疑的な立場を取っており、人為的な気候変動を否定する声が多く見られます。党の支持者は環境保護政策が経済成長を妨げると考えており、これが党の政策に影響を与えています。このような立場は産業界からの支持を受ける要因となっています。

社会政策においては、社会福祉の制限を主張し、ドイツの伝統的な価値観を重視する政策を掲げています。特に移民や外国人に対する社会保障の制限を強調し、国民の権利を優先する姿勢を見せています。

AfD政策の全体像

政策分野主な内容
移民政策移民の制限強化、難民受け入れ減少、非正規移民の厳格な制限、難民帰還促進
EU政策EU権限の制限、国家主権強化、ユーロ圏からの脱退や解体の検討
経済政策税金軽減、中小企業支援の強調、社会市場経済原則に基づく政策推進
教育政策教育の質向上、伝統的価値観重視、性教育やジェンダー研究の見直し
環境政策経済活動とのバランスを重視、再生可能エネルギー政策の見直し
安全保障政策国内治安強化、テロ対策強化、国境警備の強化
家族政策家族の価値重視、子育て支援強化、伝統的家族構成支持
文化政策ドイツの伝統文化保護、移民文化の影響抑制、イスラム文化の影響制限

AfDの支持層と選挙での勢力拡大

年齢・性別・地域による支持の特徴

AfDは特に16歳から24歳の若年層からの支持が急増しています。2024年の欧州議会選挙では初めて16歳が投票できるようになり、この新たな投票者層がAfDに対して強い関心を示しています。この傾向は若者が社会問題や経済的不安に敏感であることを反映しており、AfDの政策が彼らの期待に応える形で受け入れられていることを示唆しています。

性別においては、AfDの支持は男性に偏っています。特に中高年層の男性からの支持が顕著で、2024年の調査によると全ての年齢層において男性の支持が女性を大きく上回っています。これはAfDの政策が男性の価値観や関心により適合していることを示しています。

地域差においては東ドイツ地域でのAfDの支持が顕著です。経済的な不満や社会的な不安が背景にあり、これがAfDの台頭を助けています。例えばチューリンゲン州ではAfDが選挙での勝利を収めており、これは地域の経済状況や移民問題に対する反発が影響しているとされています。

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教育水準と支持の関係

各種メディアからはしばしば指摘されることでは教育水準が低い層においてAfDの支持が特に高い傾向があるといわれています。特に職業訓練を受けた層では経済的な不安や社会的な不満が強く、これがAfDの政策に共鳴している可能性があると報じられることも多々ありました。

ただし近年ではより広範な層からの支持も獲得しつつあるという分析も報じられています。経済的不確実性の高まりや移民政策などについての伝統的政党への失望感が、教育水準に関わらず多くの有権者をAfDへと向かわせる要因となっているようです。

選挙での躍進と政治的影響力

AfDの支持率は2025年も引き続き増加傾向にあります。2024年9月1日に行われた州議会選挙ではテューリンゲン州で初めて第1党となり、その得票率は32.8%に達しました。この結果は前回の2019年選挙から9.4ポイントの増加を示していて州議会の32議席を獲得しました。

2017年のドイツ連邦議会選挙ではAfDが初めて議席を獲得し主要な反対勢力としての地位を確立しました。この選挙結果はAfDがドイツの政治において重要な役割を果たすことを示すものであり、特に東ドイツ地域での支持が顕著でした。

2025年4月現在の最新のAfD支持率

調査機関INSAのPolitProのデータによると2025年4月のAfDの支持率は25%と4人に一人の割合です。これは他のIpsosやDeutschlandtrend調査などでも25,24とやはりほぼ同じ割合です。

2025年4月現在のドイツ人の4人に一人がドイツのための選択肢を支持しているのは、ほぼ確実な事実であることがデータから証明されていると言えるでしょう。

国際関係におけるAfDの立ち位置

ロシアとの友好関係の模索

AfDはロシアとの友好関係構築を重視し、特に経済協力やエネルギー供給の安定化に注力しています。ドイツがロシア産エネルギーに依存している現状を踏まえ、両国の経済的結びつきを強化することが国益にかなうと主張しています。

また国際政治の場面においてもAfDはロシアとの政治的連携を深めることでドイツの外交的立場を強化しようとしています。特にウクライナ問題では軍事支援の停止を訴え、親ロシア的姿勢を明確にしています。

このような立場は欧州諸国から批判を受けており、特にウクライナ支援を続ける国々との対立を生む要因となっています。AfDの親ロシア的外交政策は国際社会におけるドイツの立場を複雑にしているといえるでしょう。

アメリカとの関係再考

AfDはアメリカとの関係においても独自の立場を取っており特に軍事的依存からの脱却を主張しています。アメリカの影響力を排除し、ドイツが国際舞台で独立した外交政策を展開することを目指しています。

興味深いのはトランプ政権時代とバイデン政権以降でのAfDの姿勢の変化です。第一次のトランプ政権下では関係強化を模索していたAfDですが、バイデン政権の多国間主義的アプローチには距離を置く傾向が見られました。

ある世論調査によればAfD支持者の約70%が「ドイツは自主防衛能力を高めるべき」と回答しています。AfDは特に安全保障政策においてドイツの自主防衛能力強化を訴えていて、他国の軍事的要求に従うのではなく独自の防衛体制を整えることの重要性を主張してきました。

日本との経済・文化交流の可能性

AfDは日本との関係も重視しており、特に経済面での協力拡大を目指しています。製造業や自動車産業における両国のパートナーシップを基盤に貿易関係をさらに深めることで経済的利益の最大化を図ろうとしています。

文化交流においても相互理解を深めることに意欲的であり文化的イベントや交流プログラムを通じて両国の伝統や価値観の相互尊重を促進しようとしています。技術協力の分野では先進技術や製造プロセスの共有を通じて両国企業の競争力向上を目指しています。

AfDの台頭がもたらす影響と反応

ドイツ社会における政治的分断

AfDの台頭はドイツの政治的分断を一層深めています。他の主要政党はAfDとの連立を拒否し、政治的孤立を図っています。オラフ・ショルツ首相は各州の主流政党に対し、極右勢力を排除した州政府の樹立を呼びかけました。

AfDはソーシャルメディアを駆使した選挙戦略により特に若年層の支持を集めています。移民排斥を掲げる極右政党として知られ、SNSを通じて直接的なメッセージを発信することで、従来の政治に対する不満を持つ若者たちにアプローチしています。

このような状況は国民の不満や経済的な不安が背景にあると考えられ、AfDの台頭は今後の政治情勢に大きな影響を与えるでしょう。

国際社会からの批判と懸念

AfDの極右的立場は国際社会からも強い批判を受けています。特に移民政策やEUに対する批判的姿勢は、他の欧州諸国との関係悪化を招く要因となっており、国際的な孤立を深めるリスクをはらんでいます。

国際メディアもAfDの台頭を警戒し、その影響を詳細に分析しています。ロシアとの親密な関係や厳しい移民政策が、ドイツの国際的立場を揺るがす可能性を指摘する声も少なくありません。特にテューリンゲン州での勝利は第二次世界大戦以降初めてのことであり、ドイツ社会における政治的分断を深める要因となっています。

AfDに関するよくある質問

AfDはいつ、どのような背景で設立されたの?

AfDは2013年に設立され当初はユーロ懐疑主義を中心に活動していました。EUの政策がドイツの国益を損なうという主張を掲げ、次第に移民問題やイスラム批判へと焦点をシフトさせていきました。

AfDが特に東部ドイツで支持を集めている理由は何?

東部ドイツでは経済的不安や失業率の高さ、移民に対する懸念が強い傾向があります。

また旧東ドイツ時代の経験から、現在の政治体制に対する不満も根強く存在しています。AfDはこうした不安や不満を政治的に取り込むことで支持を拡大しています。

まとめ

ドイツのための選択肢(AfD)はユーロ懐疑主義から始まり、次第に移民問題やイスラム系移民問題の批判などへと焦点をシフトさせながら、ドイツの政治において急速に影響力を拡大してきました。特に東部ドイツを中心に支持を伸ばし、テューリンゲン州では第1党になるなど、戦後ドイツの政治に新たな局面をもたらしています。

この党の台頭は様々な社会的・政治的要因に基づいていますがその極右的立場や親ロシア的外交政策は国内外から批判を受けています。今後のドイツ政治においては、主流政党がAfDの台頭にどう対応するかが重要な焦点となるでしょう。

AfDが党名として掲げる「ドイツのための選択肢」は国家主権の回復やアイデンティティの保護という主張を含む一方で、社会的分断や国際的孤立というリスクも内包しています。

ドイツ社会がこの政治的潮流とどのように向き合っていくのか、その行方は欧州全体の将来にも影響を与えることになるでしょう。

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