アメリカの政治ファミリー

政治学

アメリカの政治一家

日本と比べるとアメリカには世襲議員はほとんどいないと言ってもいい。

しかし例外の一族がアメリカには幾つか存在する。古くは第2代大統領ジョン・アダムズとその息子の第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズを輩出したアダムズ家。

そして20世紀であればマッキンレー大統領の暗殺によって史上最年少の大統領となったセオドア・ルーズベルト、そして例外的に大統領を3期行ったフランクリン・ルーズベルトのルーズベルト家などだ。

そして現代であれば世界中が知っているケネディ家とブッシュ家は有力な政治家一族である。

もちろん名目上民主主義だが世襲議員が3分の1を占める日本などとはアメリカは異なる。政治家が事実上相続税を回避出来たりするようなシステムはないのでもっぱらその教育と名声、地方議員などからの下積みによって当選する面が強い。

ケネディ家

ケネディ家はマサチューセッツ州ボストン出身のアイルランド系アメリカ人の政治一家で、主に民主党のメンバーとしてアメリカ政治に影響を与えてきた。

その始祖ともいえるジョセフ・ケネディ・シニアは家長で金融や酒類販売など様々な産業で富を築いた人物だ。そして彼の息子のジョン・F・ケネディ、ロバート・F・ケネディ、テッド・ケネディはいずれも著名な政治家となった。

ジョン・F・ケネディは、1963年に暗殺されるまで第35代アメリカ合衆国大統領を務めた。そして弟のロバート・F・ケネディは兄の下で司法長官を務め、1968年の大統領選出馬中に兄と同様に暗殺されてしまった。

そしてテッド・ケネディは上院議員として長いキャリアを持ち、民主党のリーダーにもなった。ケネディ一族は、公民権、社会正義、医療に関する進歩的な政策と提唱で知られている。

ロバート・ケネディ

ロバート・フランシス・”ボビー”・ケネディ(1925-1968)は、1960年代のアメリカの歴史において重要な役割を果たした著名なアメリカの政治家、弁護士である。JFKのようにRFKとも呼ばれる。

司法長官(1961-1964): 兄のジョン・F・ケネディ大統領の下で仕えた。貧困問題や公民権への強いコミットメントでも知られ、合衆国の統合と公民権法の施行を推進した。

また、マフィアなどへの組織犯罪対策についても強く推進した。(具体的には証人保護プログラムの強化や司法省の捜査権限の強化など)

ニューヨーク州選出上院議員(1965-1968年): 引き続き公民権を擁護し、貧困やベトナム戦争に関する問題にも取り組んだ。

しかしまたもや暗殺の被害に:ケネディは1968年の民主党大統領候補の有力候補となったが、同年6月に暗殺された。

Robert F. Kennedy’s “Mindless Menance of Violence” Speech

ロバートケネディJr

RFK Jr.は、環境弁護士であり、汚染や企業の不正行為に対する活動で知られています。彼は上記のロバート・F・ケネディの息子であり、ジョン・F・ケネディ大統領の甥にあたります。

近年では反ワクチン運動の著名な人物となっており、公衆衛生当局や科学者から多くの批判を受けています。彼のワクチンに対する立場は、民主党内および公衆の健康と安全に関する広範な議論において、彼を分裂的な立ち位置にしていますが、2024年現在、ドナルド・トランプ当選によって彼は国の保健政策のトップになる予定です。

テッド・ケネディ

エドワード・ムーア・”テッド”・ケネディ(1932-2009)は、アメリカ史上最も影響力のある政治家の一人であり、1962年から2009年に亡くなるまでの約47年間、マサチューセッツ州選出の連邦上院議員を務めた。

医療制度改革: 生涯にわたって医療保険制度改革を提唱し、2010年の医療保険制度改革法(Affordable Care Act)の成立に極めて重要な役割を果たした。
教育・移民制度改革: 教育、移民、労働法に関する重要法案の成立に尽力した。
超党派主義: 党派を超えて法案を成立させてきた。

Inside Ted Kennedy’s Final Days

ブッシュ家

ブッシュ家は実業界にルーツを持ち、数十年にわたって共和党政治の中心的存在であった。

家長のプレスコット・ブッシュはコネチカット州選出の上院議員であった。

息子のジョージ・H・W・ブッシュは第41代大統領で、ロナルド・レーガン政権下で副大統領、CIA長官、国連大使を歴任。

その息子のジョージ・W・ブッシュは第43代大統領を務め、その前はテキサス州知事だった。

もう一人の息子ジェブ・ブッシュはフロリダ州知事を務めたが、2016年の大統領選では共和党予備選で敗れた。

ブッシュ家は一般的に、伝統的な保守的価値観、外交介入主義、親ビジネス政策と結びついている。

90年代のブッシュ大統領と2000年代のブッシュ大統領。こちらは色々なところで詳細な説明から簡潔な説明まであると思うのでプレスコットとジェブに焦点を当てたい。

プレスコット・ブッシュ

プレスコット・シェルドン・ブッシュ(1895-1972)はアメリカの銀行家、政治家で、1952年から1963年までコネチカット州選出の合衆国上院議員を務めた。政治的ポジションとしては共和党の穏健派でした。

彼はブッシュ家の政治的遺産を築く上で重要な人物であり、ジョージ・H・W・ブッシュの父であり、ジョージ・W・ブッシュとジェブ・ブッシュの祖父です。

プレスコットはブラウン・ブラザーズ・ハリマン&カンパニーという投資銀行での活動を通じて、ナチス・ドイツとの物議を醸す関係を持っていましたが、彼の政治キャリアはアイゼンハワー大統領への強い支持と、州間高速道路システムのような重要な立法への関与を特徴とするものでもありました。

その他の政策としては、家族計画連盟を指示し、家族計画と女性のリプロダクティブ・ライツを提唱。また、公民権に関する立法に貢献し、国連を通じて平和的な世界秩序を構築する初期の取り組みに関与した政治家です。

Remembering George H.W. Bush’s family legacy

ジェブ・ブッシュ

ジェブ・ブッシュは1999年から2007年までフロリダ州知事を務めました。彼はジョージ・H・W・ブッシュの息子であり、ジョージ・W・ブッシュの弟です。

ジェブの知事時代は教育改革、減税などの税制改革、フロリダ州の環境保護に焦点を当てたものでした。

彼は2016年の共和党大統領候補に立候補しましたが、ドナルド・トランプのようなより型破りな候補者に対抗するのに苦労し、初期の予備選挙での成績不振によりキャンペーンを中止しました。

The best of Donald Trump vs. Jeb Bush

クリントン家

こちらはエリートの夫婦なので番外編であるがクリントン家も挙げておきたい。クリントン大統領は有名であるが、その妻として有名なヒラリー・クリントンは、夫が大統領でなくても相応の地位についていたであろう人物と言われることも多い。

クリントン一族は民主党と結びついており、1990年代に全国的な注目を集めた。ビル・クリントンは第42代大統領を務め、在任中は経済的繁栄、福祉改革、そして一方で弾劾につながるスキャンダル(無罪放免)で話題となった人物だ。

妻のヒラリー・クリントンはファーストレディを務めた後、ニューヨーク州選出の上院議員を経て、バラク・オバマ大統領の下で国務長官を務めた。2008年と2016年に大統領選に出馬し、2008年の民主党予備選と2016年の総選挙で敗れた。

クリントン夫妻は医療保険制度改革など様々な社会問題に関与しており、民主党内の中道的なアプローチで知られている。

ヒラリー・クリントン

The Story of Her | Hillary Clinton

ヒラリー・ローダム・クリントン(1947年生まれ)。アメリカの政治、法律、公共サービスにおいて長く影響力のあるキャリアを歩んできた。

アメリカ合衆国大統領夫人(1993-2001年): 医療制度改革や子ども・女性問題を提唱した。

ニューヨーク州上院議員(2001~2009年): 9.11同時多発テロ後の復興活動で重要な役割を果たし、特にファースト・レスポンダーに関する医療問題に取り組んだ。

第67代国務長官(2009-2013年): 世界におけるアメリカの地位回復に注力し、国際的に女性の権利を擁護し、オサマ・ビンラディン殺害につながる作戦で重要な役割を果たした。

2016年大統領候補:米国の主要政党が指名した初の女性大統領となる。2024年現在も政界にコメントにより影響を与える人物の一人である。